2019.2.13 タトゥー

タトゥー ・刺青の痛み|彫師が語る都市伝説と痛み対策

僕のタトゥーを始めて見る人の第一声は、

「痛かった?」

一般的に、何故痛いことをワザとするのか、と不思議に思う人は少なくないでしょう。

それで、まだタトゥーを入れていない人のために「タトゥーの痛み」について少し書くことにしました。

因みに、僕は全身に入っていません。両腕(かいなの七分)とふくらはぎと太ももだけです。

ドンドン増やしたいけど、二代目彫日出が多忙で…

この内容で書くことを決めてから、二代目 といろいろ相談しました。

二代目は長いキャリアで何千人にも刺青を彫って、彼自身も手首から足首までの胸割り総身彫りで入っていますので、彫師であると同時にタトゥーの痛みのエキスパートです。

タトゥー の痛みについての都市伝説

本題に入る前に、「タトゥー の痛み」についてのよくある都市伝説的を取り上げます。

「赤が痛い」とか「筋彫り(ライン)が痛い」はよく聞きますが、私も二代目も違うと思います。

一つずつ説明します。

 

黒より赤とか明るい色が痛い

確かに、施術を受けると、色を入れている時は痛みを感じるかも知れません。

しかし、それは「色」と関係ないと思います。

施術の流れを考えると分かりやすいでしょう。

Tattooは筋彫り(ライン)から始まります。

続いて、ボカシ・シェイディング。

進むと、だんだん明るい色を入れます。

確かに、痛みは増すかも知れませんが、色に対して体が反応ではなく、 彫る時間が長くなって、それに連れて、肌が敏感になっています。

2〜3時間彫った後、何が肌に触れても痛く感じます。

施術の最後のの方に赤や明るい色が入っていきますので、色が痛いのではなく、肌が何時間もいじめられていて、悲鳴をあげています。

 

筋彫りが一番痛い

ライン(筋)を彫る時は1本、3本、5本とかの針を使います。

針が一箇所に集中しています。

こちら↓ ↓ ↓ はライナーの針です。

シェイディング用の針はこちら↓ ↓ ↓の写真のように、たくさんの針が真っ直ぐ横並びになっています。

施術の時、シェイディングの針の端だけ使うことがよくありますので、針の先端の形で痛みが違うとは言えないです。

針の形と関係なく、僕も二代目もシェイディングの方が痛いと同意見です 。

それは、針の違いではなく、作業の進み方に関係します。

筋彫りは繰り返し 同じ場所を彫るより

線を描いて、次々の違うところに線を彫っていきます。

個人的に彫り始めはあまり痛いと思いません。時間が経つにつれ、彫った箇所がヒリヒリと痛くなっていきます。

シェイディングは何度も 同じところを彫ることがありますので、同じ箇所の 肌を何回も針で刺すことになります。

初めて刺す肌より、すでに傷のついた肌の方は痛くかんじます。

 

痛みを左右するもの

色も針の形で痛みがあまり変わらないのであれば、 tattooの痛みを大きく左右する物は何でしょう?

大きく3つをあげると:

  • 個人差
  • 身体の部分
  • 彫師

です。

 

タトゥーの痛みで一番言えることは個人差は大きいです

以前、二代目は友人同士の二人の女性に同じデザインを身体の同じところに入れるorderがありました。

蝶々模様の右半分は一人の足の甲に入れて、左半分をもう一人の足の甲。

右も左も全く同じデザインでした。

同じ彫師が、

同じデザインを、

同じ日に、

同じ箇所に、

それぞれ彫ったにも関わらず、片方のお客様が、施術中ウトウトしてました。

もう片方は「ずーっとめっちゃ痛かった!」との感想でした。

足の甲は痛いと感じる人は多いですが、あまり痛く感じない人もいます。

この例はとてもinterestingで、痛みの 度合いは、とても個人差があることが分かります。

人に「そこは痛いよ!」と言われて、実際に「痛い」と思う人も「全然痛くない」と思う人もいます。

 

身体の部分

上記の個人差はありますが、身体の部分によって痛いところもあまり痛くないところもあります。

タトゥーが欲しいけど、痛いのは絶対イヤという方にオススメするのは上腕の外側です。

個人差はありますが、上腕は痛いという人はほとんどいません。

僕は腕を彫ってもらっていた時、 眠ってしまったことは何回もあります。

 

痛い箇所

これも個人差がありますが、どこが一番痛かったかを聞くと下記のどれかを言います。

膝の裏

肘の裏

脇腹

足の付け根(表のVライン)

鎖骨

お尻と足の付け根

乳首の周り

足の甲

簡単に言いますと、神経がたくさんあるほど、痛いです。

 

彫師と痛み

僕は二代目彫日出にしか刺青を入れてもらってませんので、彫師の差は客観的にしか言えませんが、二代目は20人以上の彫師に彫ってもらってます。

彫師は、速さ、同じ箇所を何回彫るか、一度に何秒彫るか(針に含んだインクが無くなり、一度肌を離れ、インクを補充するまでの間)、何を使って余分のインクを拭くか、拭くきつさによって痛みが全然違います。

タトゥーの痛みは針が肌に入る時だけではありません。

しばらく彫ってもらってから、彫師がインクとかを拭き取ることがだんだん痛く感じます。

彫りながら、彫師は余分なインクを拭いて、インクが正確に入っていることを確かめます。

大事な過程です。

Good Times Inkでは、お客様の敏感になっているお肌を一番柔らかい、ムーニーのウェットティッシュで優しく拭きます。

 

痛み対策

少しでも、痛みを和らげるために以下をお勧めします:

  • 施術の前日・当日はお酒を控えること
  • スマホを持ってくる(音楽を聴いたり、SNSを見たるすると痛み以外のことを考えれるでしょう)
  • 極力長時間の施術を避ける(一回3時間ぐらいのセッションが理想です)
  • タトゥーを入れることでワクワクしますが、前夜をよく眠る
  • 体調を整える(発熱してたり、風邪をひいている時は痛みが倍増します)
  • 水分をたくさん取る
  • 施術間は2週間以上あける
  • 空腹を避ける
  • 施術中は緊張しないで、できるだけリラックスする

 

鎮痛剤

アスピリン・お酒のように血液を薄めるものを避けましょう。

イブプロフェンのような薬は血液を薄めないので、少しは楽になるかも知れません。

 

最後に

締めくくりとして言いたいことは、ほとんどの人は一つのタトゥーを入れてしばらく時間が経ったら、もう一つ入れたくなります。

タトゥーって不思議と増えて行くものです。

我慢できないほどの痛みであれば、一度入れても、二度と入れることはありません。

Good Times Inkはリピーターのお客様がとても多いので、さほど痛くはないのかと個人的には思います。

やっぱりタトゥーは多少痛くても、信用のできる彫師を選び、自分の肌に好きなデザインを入れてもらうのが最高の喜びだと思います。

多少痛みを伴うのが、タトゥーの格好よさの一つかもしれません。

Enjoy your tattoo life…

 

…after pain

 

ジャック アマノ